「うりずん」と聞いてネーネーズを思い浮かべる方はちょっとした碧珊瑚通(^^)。 たしかに、95年に出たネーネーズのアルバムのタイトルでもありますが、 じゃあ、どういう意味でしょう。また、同様の季語としてしばしば用いられる「わかなつ」との違いは?
これについて、正木 譲さんの興味深い解説がありましたので、それを引用しますと、 「うりずん」、「わかなつ」は決して「陽春」「初夏」とは言い替えられない沖縄特有の季節を 表わす言葉である。
うりずんとは、二月下旬の雨水から四月中旬の清明の節までの期間。 わかなつとは、四月下旬の穀雨から六月中旬の芒種の節までと見て良いだろう。
このうち、うりずんの語源は 「潤う」の意の「うり」と浸みとおるの意の「ずみ」(じみ)とが複合してできた語で、 降雨が土に潤い浸みることを原意にした語であるが、とくに、 旧暦二、三月ごろの季節を指して云うものになったものである。 (八重山毎日新聞 2000/3/5より)
とのことです。 更に 「うりずんとは木々ばかりだけではなく、万物が潤い、生成され、発展していく季節」
「わかなつとはうりずんに芽吹いた草木が、ぐんぐんと緑を濃くし、 すべてのものの体内には、やがてやってくる台風にも、盛夏の強烈な日射にも 耐えうるエネルギーが蓄えられていく季節」
と解説されています。 つまり、「陽春」「初夏」では表わしえない深遠な意味がこめられているわけです。 このような、素晴らしい方言をいつまでも残しておきたいですね。
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